2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

令和で126代目!考古学から「天皇」の起源を紐解く1冊

「天皇」はどこから来たのか? 平成も残り僅かとなりました。あと数日で新天皇が即位し、令和に改元となります。日本の天皇家は世界でも有数の歴史を誇りますが、その起源についてはよく知らない方が多いのではないでしょうか。 日本の「天皇」はどこから来…

古代ローマ有数の歴史家タキトゥスが描いたゲルマン民族

ローマ帝国の天敵、ゲルマン民族 今から約2000年前の古代、地中海世界全域を支配して栄華を誇ったローマ帝国。その強大なローマであっても、常に警戒を怠ることができなかったのが、北方のゲルマン民族です。ローマ帝国の歴史は、彼らとの戦いに終始したと言…

ユダヤ教誕生の謎に迫る!一神教革命はいかに起こったのか?

ほぼ100%の人が多神教信者だった古代 現在、世界には数えきれないほどの宗教がありますが、ユダヤ教(1300万人)、キリスト教(20億人)、イスラム教(12億人)に代表される「一神教」を信じる人が世界人口の半数を占めます。 しかし古代においては、人類の…

雑誌記者も実践!読者を引き込む文章術

想定とのギャップがインパクトを生む 僕ら雑誌記者が記事を執筆する際には、「読みやすい」文章を書かねばならないのは当然として、その一段上の「面白い」読み物を提供することが求められます。 何を「面白い」と感じるかは人によって異なるため難しいので…

現役編集者直伝!誰でも簡単に実践できる校閲・校正テクニック

文中からミスを一掃しよう 日々生活していると、文章を書く機会って意外に多いですよね。僕のように執筆・編集を職業としていなくても、仕事でメールを打ったり、資料を作成したりする方は少なくないと思います。 もし文面に誤りがあったとしても、SNS投稿や…

全ての夢追い人必読!サマセット・モーム『月と六ペンス』

19世紀の画家ポール・ゴーギャンがモデル イギリスの小説家ウィリアム・サマセット・モーム(1874~1965)。今回は、彼が1919年に発表し、名声を得るきっかけとなった『月と六ペンス』(岩波文庫)をご紹介します。 本作は、モームがポスト印象派の画家ポー…

映画ドラえもん のび太の特技が冴え渡る『銀河超特急』

のび太のカッコいい場面が最も多い映画 ちょうど50年前の1969年から連載が開始され、今や国民的アニメとなったドラえもん。1980年からは劇場版の上映も始まり、今年3月公開の『のび太の月面探査記』で39作目を迎えます。 映画では毎回、ドラえもんたちが宇宙…

ベーシックインカム、1日3時間労働、国境開放が世界を救う?

ベーシックインカムの是非を問う 経済格差の拡大を背景に、ベーシックインカム導入の是非について議論が高まっています。ベーシックインカムは、全ての国民に対して最低限の生活を保障するだけのお金を定期的に直接支給するという政策。これだけ聞くと夢のよ…

クロスバイク&ロードバイク初心者必見!川沿い走行3つの利点

街に繰り出す前にサイクリングロードへ 4月も半ばとなり、ようやく暖かくなってきました。外でスポーツをするのに良い季節ですね。 今回は、クロスバイクやロードバイクといったスポーツ自転車の初心者に向けて、川沿いのサイクリングロードでの走行をオスス…

文化人類学の名著!レヴィ・ストロース『悲しき熱帯』

アマゾンに住む「未開」の民族を調査 人類はどのように発展してきたのか、その経緯を文化的な側面から研究するのが文化人類学です。今回は、その文化人類学の名著と称されるレヴィ・ストロース(1908~2009)の『悲しき熱帯』(中公クラシックス)をご紹介し…

「昭和の妖怪」岸信介が語る20世紀の日本史

日本近現代史のリアルが分かる 「昭和の妖怪」との異名を取った人物をご存知でしょうか。 岸信介(1896~1987)。1957~60年にかけて日本の総理大臣を務めた男です。現在首相を務める安倍晋三の祖父にあたり、日韓基本条約批准、非核三原則提唱、沖縄返還な…

文章で比喩を使う際に注意すべき3つのこと

ガラスのような銃!? 文章を書く時、「~のような」といった比喩を使いたくなることがあるでしょう。描きたい対象物のイメージを読者に共有する際、比喩には一定の効果があります。 ただ、比喩は使い方を間違えるとイメージが伝わらなかったり、誤解を生ん…

マネジメント層必読!ユリウス・カエサル『ガリア戦記』

ビジネスリーダーが推薦する名著 古代ローマの政治家、将軍であり、帝政ローマの事実上の創始者とも言えるユリウス・カエサル(B.C.100~B.C.44)。「賽は投げられた」「来た、見た、勝った」「ブルートゥス、お前もか」など数多くの名言を残したことでも有…

菅田将暉×池松壮亮『セトウツミ』が現代人に訴えかけるもの

何の事件も起きない高校生の日常 毎日仕事に追われて忙しい、精神的な余裕が無い、いつも時間と戦っている気がする…そんな方に一度心を空にして観ていただきたい映画が『セトウツミ』(大森立嗣監督)です。 此元和津也の漫画が原作の本映画。菅田将暉と池松…

芥川賞作家・田中慎弥が日本人の深層心理をえぐり出す

「もらっといてやる」発言で一躍有名に 2012年に『共喰い』で第146回芥川賞を受賞した田中慎弥さん。授賞式で「私がもらって当然」という趣旨の発言をしたり、「もらっといてやる」などと田中節を炸裂させたりして一躍有名になりました。 しかし、実際には気…

短篇好きなら1度は読んでおきたいモーパッサン15篇

300以上の短篇から15作品を厳選 短篇を手掛けている作家は数多くおりますが、中でも特にオススメしたいのが、「短篇の名手」と言われるフランス人作家ギ・ド・モーパッサン(1850~1893)の作品です。 岩波文庫から『モーパッサン短篇選』が出ておりますので…

たった1文字で雰囲気がガラリ!文章力上達の秘訣

同じ「5店舗の出店」でも… 経営誌の記者として日々言葉を扱っていると、改めて日本語の面白さに気付かされることが多々あります。今回は、ほんの少し書き方を変えるだけで、同じ事実でも全く異なる印象を読者に与えることができる事例をご紹介しましょう。 …

直木賞作家・西加奈子も絶賛!ケリー・リンクの短篇9選

SF×ファンタジー×ホラー 2015年に『サラバ!』で第152回直木賞を受賞し、今や人気作家として活躍する西加奈子さん。とあるブックフェアで登壇した彼女が熱く語っていたのが、アメリカの作家ケリー・リンク(1969~)の書いた『マジック・フォー・ビギナーズ…

夏目漱石が『坑夫』で描いた人間の複雑性

明治末期の家出青年が主人公 『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『こゝろ』など、数々の名作を残した明治・大正の文豪、夏目漱石(1867~1916)。今回は、彼の作品の中ではあまり知名度が高くないものの、真に迫った人間描写が素晴らしい『坑夫』を紹介します…

ノーベル賞作家パトリック・モディアノが織り成す記憶の芸術

フランスが誇るノーベル賞作家 2014年にノーベル文学賞を受賞したパトリック・モディアノ(1945~)。彼はフランスを代表する現代の作家で、1972年にはフランスで最も権威があるとされるアカデミー・フランセーズ賞、1978年には同じくゴンクール賞を受賞して…

ジョニー・デップ主演『トランセンデンス』に見るAIの未来

AIは敵か味方か AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の時代が叫ばれ始めてからもう随分と経ちます。将来的にコンピュータが人間の知能を超える「シンギュラリティ」が訪れるのは間違いないと言われていますが、その具体的な時期は2030年なのか、は…

キリスト教一強の世界観を問い直した社会史学の名著

学校で習う歴史が全てではない 歴史学の中に「社会史学」という分野があるのをご存知でしょうか。 僕らは学校教育の中で、いわゆる「権力者たちの歴史」である政治史を学んできました。カエサル、ナポレオン、リンカーン…そうした「英雄」が行った戦争や政治…

東大安田講堂攻防戦の当事者が語る学生闘争の歴史的意義

東大安田講堂に籠城した学生たち 今からちょうど50年前の1969年1月19日、東京大学本郷キャンパスの安田講堂で、全学共闘会議(全共闘)と機動隊との攻防戦が繰り広げられました。 学生闘争のハイライトとも言うべきこの事件の際、実際に安田講堂内に立て籠も…