のび太のカッコいい場面が最も多い映画
ちょうど50年前の1969年から連載が開始され、今や国民的アニメとなったドラえもん。1980年からは劇場版の上映も始まり、今年3月公開の『のび太の月面探査記』で39作目を迎えます。
映画では毎回、ドラえもんたちが宇宙や別の惑星、別の時代、異世界などで活躍します。その中でも特に、のび太のカッコいい勇姿を多く見たい方には、1996年公開の『のび太と銀河超特急』がオススメです。
早撃ちの腕はゴルゴ13、次元大介以上
いつもはドジばかり踏んでいるのび太ですが、彼にもいくつか特技があります。それは、射撃、昼寝、あやとり、ピーナッツの投げ食い。昼寝に関しては、どこでも1秒以内に熟睡できるとのことで、これはこれで羨ましい技能ですね。
ただ、上記の中でも突出して取り上げられることが多いのは射撃です。勉強もスポーツも苦手なのび太が、銃を手にすると人が変わったようにカッコよくなる。そのギャップが最高です。
特に、のび太の早撃ちの速度は0.1秒を誇り、これは0.17秒のゴルゴ13、0.3秒の次元大介をも上回ります。さらに命中率に関しても、漫画、アニメ、映画を通して、外すシーンを見つけるのが難しいくらい。そして、その射撃の腕が冴え渡るのが『のび太と銀河超特急』なのです。
本作ののび太は前半からやる気に満ち溢れており、その意識の高い発言に対してスネ夫が「のび太は映画になると急にカッコいいことを言う」とツッコミを入れるほど。ちなみに、この視聴者目線の「メタ発言」はファンの間では有名です。
弱々しい信号弾で飛行艇相手に善戦
のび太による射撃の場面が多い『のび太と銀河超特急』。ここからは具体的な名シーンを見ていきます。大勢には影響ありませんが、多少のネタバレを含みますのでご注意ください。
まずは序盤、銀河超特急が盗賊団に襲われる場面です。ここでのび太は、機関車に備え付けられていた信号弾で応戦します。「僕に任せて!」と率先して狙撃の位置に着くあたり、到底いつもののび太とは思えないほどの自信が伺えます。
ここでは「子どものおもちゃじゃないんですから…」と不安がる車掌に対して、ドラえもんが「のび太君は射撃の天才なんです」とお墨付きを与えており、のび太の腕が周囲にも認められていることが分かります。
のび太が狙いを定める表情は真剣そのもの。流石に自ら志願するだけあり、機動性抜群の飛行艇に乗って迫り来る敵に対して、弱々しい弾道を描きながら飛んでいく信号弾で善戦しました。
1つの缶に全弾を撃ち込む
その後、アメリカの西部開拓時代を模した星で保安官を目指すこととなったドラえもんとのび太。保安官になるために、射撃の技能試験を受ける流れになります。内容は簡単で、遠くに並べられた6つの缶に向かって銃を撃ち、6発中2発を当てれば合格です。
ここでのび太は、離れ業をやってのけます。なんと、最初の1発目で缶を宙に浮かせ、それに残りの5発を全弾撃ち込んだのです。
1つの缶しか吹き飛ばなかったので、当初審判は1発だけしか当たらなかったと判断しました。しかし、のび太が缶を拾って6つの穴を見せ、実際に缶の中から6発の銃弾が出てきたため、一転して全弾命中で見事合格となったのでした。
なお、この描写の元ネタはアメリカ西部開拓時代の伝説的ガンマンとして有名なビリー・ザ・キッド(1859~1881)でしょう。彼には、空中に投げた空き缶が地上に落ちる前に6発の銃弾を撃ち当てたとする逸話が残っていますからね。
転がりながら瞬時に4人を倒す
その後ドラえもんとのび太は、保安官の試験に合格した「腕利き」たちが束になっても敵わなかった強盗団のアジトに乗り込みます。
こんな時に限って現れたネズミに驚き、叫び声を上げて気絶してしまったドラえもん。そこに群がる4人の強盗たちに声をかけたのび太は、転がって敵の銃弾を回避しながら瞬時に全員を撃ち倒します。まさに西部劇。ちなみに、僕はこのシーンが一番好きです笑
ラスボスを倒すのものび太
本作の敵である地球外生命体との戦闘でも、のび太は大活躍します。雑魚敵に関しては二丁拳銃で次々に撃破。手強くて誰も手が付けられなかったラスボスに対しても、のび太は堂々と一騎打ちを挑み、得意の早撃ちを炸裂させて勝利を収めました。
このように、『のび太と銀河超特急』はのび太のためにあるような映画です。普段はなかなか見られない彼のカッコよさに多く触れられますので、是非一度観てみてください。