ミシシッピニオイガメは2年でどのくらい育つの?甲長&体重の推移を公開!

2年分の甲長&体重データを掲載

 初心者でも飼いやすいペットとして人気のミシシッピニオイガメ。カメの中では小柄な種族で、最大でも甲長が13cm程度にしかならないため、さほど場所を取らずに飼育することが可能です(詳しくは下記の記事参照)。 2023年1月初頭の記事で、ミシシッピニオイガメの赤ちゃん(生後3ヶ月)が1年間でどれくらい成長するのか、一つの事例として僕が育てている子の甲長と体重の推移をご紹介しました。

 それからさらに1年が経過し、ミシシッピニオイガメをお迎えして2年が過ぎたので、改めて甲長と体重がどのような推移を辿っているか掲載したいと思います。

 前回に引き続き、計測は約2週間ごとに行っています。これからミシシッピニオイガメの飼育を考えておられる方や、育て始めたばかりという方の参考になれば幸いです。

2年で甲長4.16倍、体重66.5倍

 さて、早速ですが、具体的な甲長と体重の測定結果は下記の通りです(上が2022年分、下が2023年分)。

 甲長と体重、それぞれをグラフにすると、下記のようになります。

 2年間で甲長2.5cm→10.4cm(4.16倍)体重4g→266g(66.5倍)。最終的には甲長12~13cm、体重400~500g程度になるらしいのですが、甲長に関しては9cmを超えたあたりから伸びが一気に鈍化しました。

長期の留守番は可能だが…

 グラフでも顕著なので、お気付きの方もおられると思いますが、2023年8月30日~9月15日にかけて体重が10gも減っています。これは、ちょうどこの期間で長期旅行に出かけ、10日間お留守番をしてもらったためです。ミシシッピニオイガメは絶食に強く、問題ありませんでしたが、幼体(生後半年以内)の場合は体力がないので、3日以上の旅行は控えましょう。

 お留守番をしてもらう上で気にかけるべきは、実は絶食状態より水質汚濁です。カメの排泄を避けるため、旅行の1~2日前からご飯を与えない飼育者さんもいるほど。確かに、絶食中はご飯を食べていないことで、カメが排泄しない&食べカスが出ないため、水は汚れにくくなります。しかし、カメも水分の摂取と排尿は行いますので、日に日に水は濁ります。

 水が汚いと、カメは水分の摂取を嫌って脱水症状に陥ったり、水槽内に繁殖した菌によって様々な病気に罹る可能性が高まるので、旅行に出かける前は必ず水替えを行ってください。汚れの進行を抑えるカルキ抜きを投入し、性能の優れた濾過機を設置することも有効です。

 ちなみに、僕が現在使っているカルキ抜き&濾過機は下記の製品。これらが1週間は水の透明度を維持し、排泄物やゴミも吸い取ってくれます。特に濾過機の性能は抜群で、目に見えて水質が良好な状態に保たれるようになりました。

食事の量や頻度はどうする?

 元々食事は、株式会社キョーリンの「カメプロス(甲長3~8cm用)」を1回10~15本ずつ1日3回与えていました(途中ダイエット期間あり)。しかし、体が大きくなるにつれて基礎代謝も上がってきたので、1回30~40本ずつ1日2回あげるように変更。2023年4月からは、それまでよりも巨大な「カメプロス(甲長8cm以上用、沈下タイプ)」を1日1回10本与えています。

 以前も書きましたが、食事の量をどの程度にすべきかについては正解がありません。個体差もありますし、飼育しているカメの年齢、甲長、体調などの変化に応じて「適量」が日々変わるからです。したがって、自身が適切だと思う量の食事を与えながら、定期的な観察と体重測定を繰り返すしかありません。詳しくは下記の記事内で紹介していますので、ご興味があればご覧ください。

カメのダイエットも人間と同じ

 1つだけ確実に言えるのは、人間と同じように、カメの体重も摂取カロリーと消費カロリーの差に応じて増減するということです。カメをダイエットさせたければ、消費カロリーを増やし、摂取カロリーを減らして、前者が後者を上回るようにしましょう。

 摂取カロリーを減らすには、単純に食事の量や頻度を減らせば大丈夫です。消費カロリーを増やすには、水槽の水を深くしましょう。カメが自由に泳ぎ回れる空間を広く取ることで、自然と運動量が増えます。動ける範囲の大きい方が、カメもストレスなく過ごせるのでオススメです。

 ただし、体力のない幼体の場合は溺死する恐れがあるので、水深を浅くしてください。そもそも、幼体の時点では食べた分だけ甲長が伸びるため、ダイエットなど必要ありません。

1日の消費カロリー=体重0.86g相当?

 最後にご飯の量の参考として、僕の事例をご紹介します。なお、文中の「飼料」とは「カメプロス(甲長8cm以上用、沈下タイプ)」のことです。また、毎日うちの子が同じだけの基礎代謝&運動量で生活しているという前提であることをご了承ください。

 一度ダイエットのため1日あたりの食事量を飼料5本に落としたことがあるのですが、その際は2週間(2023年10月1日~15日)で体重が2g減少しました。1日あたりの食事量が飼料10本のときには概ね、2週間で7~8g増加していますので、2事例の差分を見ると、飼料5本を2週間食べ続けた場合の摂取カロリーは体重約10g分という計算になります。

 にもかかわらず、飼料5本を2週間食べ続けても実際には体重が2g減ったわけですから、うちの子の2週間あたりの消費カロリーは12g相当のはず。すなわち、1日あたりの消費カロリーは体重約0.86g分と推定できます。

 また、飼料1日5本×2週間(=70本)で体重10g分の摂取カロリーということは、飼料1本あたりの摂取カロリーは体重約0.14g分のはずです。

 もちろん成長や加齢に伴って基礎代謝や運動量は変化するので、やはり定期的に体重測定をして数字を再確認する必要はありますが、上記のような数値を算出しておくと、飼料の本数を決める際に多少は役立つかと存じます。